終戦記念日が近づいてきました。
私たちチューリップスタッフは、家事代行のお仕事を通して、高齢のお客様からいろいろな昔話をお聞きする機会が多くあります。
その中には、戦時中のお話もあります。
戦争を知る人は今もう本当に少なくなってきました。彼らから戦争のリアルな話を聞ける、残り少ない時間を大切にしなくてはなりません。
私は今50代ですが、18才までは、祖母と、昭和一桁生まれの父母の三世代で過ごしてきました。今の時代は核家族が多くなっていますが、その当時は多世代で住むのがポピュラーだったのです。80歳、90歳代のお客様と話が合うのは、祖母や父母のおかげだと感謝しています。
私の娘たちは、「戦争」と聞いても、中東の紛争とか、教科書に書いてある「戦争」のことしかイメージできないようです。太平洋戦争、第二次世界大戦は遠い昔になりました。

先日、アニメ映画『この世界の片隅に』がNHKで放映されているのを見ました。
「戦争」というと、ただただ暗く悲しくつらい話、それを知らなくてはならない…という印象がありますが、この映画は、水彩画のような明るいタッチの絵柄で、ちょっと天然ボケの主人公「すず」とその家族の生活を、みずみずしく描いています。
戦時下で食材や物資も不足する中でも、工夫しておいしくご飯をつくり、ささやかな娯楽を見つけ、日々を楽しんでいる。
私たちと一緒なんだな、いやむしろ、家族とのあたたかい絆など、私たちの失ってしまったものが彼らの生活にはあるなと感じました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この映画は2016年に公開されて以来、多くの賞を獲得し、世界中から絶賛され、アニメ映画で史上最長のロングラン記録を達成しているそうです。
若い人に戦争時代のことを語り継いでいくには、こういう伝え方も大事だな、ぜひ毎年放映が続いてほしいな、と思いました。私も、祖母や父母、お客様がたから聞いた貴重な戦争の話を、これから折に触れて発信していけたらと思います。