夏目漱石「こころ」雑感

「こころ」は夏目漱石の代表作で、「金銭」と「恋愛」をめぐるエゴイズムに、近代に移行する時代の葛藤の中で揺れ動く「こころ」を描いた名作。夏目漱石自身、めいじ33年(1900)に官命により、英国に留学、近代化されたロンドンに衝撃と、日本国への絶望感にさいなまれたそうです。高校の現代国語の授業で出てきて、何を読み解けばよいのでしょうか?
単なる恋愛の三角関係ではなく、「K」は、求道精神が、たかが恋愛ごときで揺らいでしまったことに失望したのでしょうか?
何十年たった今でも、夏休みの推薦図書として「こころ」が入っています。
どのように理解すべきか、時代背景や作者自身がたどった人生、それぞれ世代、世代で変わってきているのではないでしょうか?


あらすじ
登場人物「私」大学生、ある時先生を見かけ近づいていき、その家庭の傍観者となり、先生の遺言を託される。
「私の先生」
「先生の親友「K」」
「未亡人」軍人の夫が亡くなり、「先生」の下宿先となる夫人
「静」未亡人の一人娘、下宿人の「先生」と「K」の二人に好意を寄せられる。
「K」は真宗のお寺の次男で医者の家に養子に出される。先生の同郷、同級生、「精進」が好きで、宗教や哲学を学ぶ求道家。
「先生」は、父母の死、20才頃、地主の息子だが、叔父に財産を横領され、他人を信用しない、親友だった「K」が困っている時、下宿先に一緒に住むようになる。若い「私」と出会って、自分の境遇を伝えるようになる。
5人しか登場しないのですが、これが複雑にからみ合うのです。「静」という女性に好意を持つことが、「精神や禁欲」を主義としてきた「K」には「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」と、「先生」に言ってきた自分自身を、どう対処して良いかわからず、結局「先生」が「静」に結婚を申し込んだ時点で自殺してしまう。その事で苦悩する「先生」も、明治天皇の崩御のあと、殉死する。

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